FAQ:よくある質問   <不耕起栽培編>

 不耕起栽培を本格的に学びたいのですが?

 すでに『不耕起でよみがえる』創森社には、目を通されたと思います。

 更に具体的な不耕起栽培を学びたいのであれば、百聞は一見にしかず、百見は一考にしかず、百考は一行にしかずの諺があるように、まずは、自然耕塾や苗つくり研修会に参加し、不耕起栽培によるイネつくりの基礎を学んでみては如何でしょうか。

 不耕起栽培技術は、『不耕起でよみがえる』に全て網羅されている訳ではありません。

 同著には網羅されなかったイネつくりの技術を、実際に不耕起栽培でイネつくりしている田んぼを見学したり、イネの生育具合を観察したり、岩澤先生の講義を受けたりして、不耕起栽培技術の知識の幅を広げるのも一考です。

 また、日本不耕起栽培普及会の会員になり、実践されている方々の経験を参考にしながら、栽培計画を立てて自身での実践の機会を増やされては如何でしょうか。

 普通の苗で不耕起栽培が出来ますか?

 先に結論すると、普通の苗(いわゆる慣行稲作で使われる苗)で不耕起栽培する方法を見出せていません。

 不耕起移植栽培では、成苗を使います。

 その成苗は、低めの環境の中で約2ヶ月もの月日を費やして育てられる健康な苗です。
 そんな健康な苗を使うので、病害虫への抵抗性が高く、力強い成長力を持ったイネつくりが可能になります。

 この成苗づくりは、不耕起移植栽培では最も重要な要素を占めていて、苗づくり八分作と言われる所以にもなっています。

 冬期湛水の田んぼは、普通の田植機で田植えが出来ますか?

 冬期湛水した不耕起の田んぼに普通の田植機で田植えをすると、田植え時に浮き苗になったり、収穫の秋を目の前にして倒伏したりと、イネつくりを失敗してしまいます。

 専用の田植機がない場合は、無理せず、半不耕起にして田植えをしてください。

 ちなみに、専用の田植機では、トロトロ層の下に苗が深植えされます。

 冬期湛水はどれ程の抑草効果がありますか?

 抑草効果を高めるには、稲刈り後なるたけすぐに、水田に米ぬかを撒いたら湛水します。

 冬期湛水と表現されてますが、湛水は秋期から始めることが重要です。

 残念ながら、冬期湛水が抑草に万全とは言えず、例えば、前年、雑草が多かった田んぼは、雑草の活動が活発になる前の除草対策が必要な場合があります。

 暖かくなると草勢が強くなるヒエなどは、種がこぼれる前に除草対策を施し、年を追う毎に減らす作業が多少なりとも残ります。

  暖かい地方でのイネつくりは『不耕起でよみがえる』に出ていないようですが?

 『不耕起でよみがえる』では、関東以北のイネの作り方を中心に構成されています。

 暖かい地方でのイネつくりは、会員向けのマニュアルで触れています。
 暖かい地方のイネつくりに限らず、田んぼのある地域や土質、周りの環境、その年のその土地の気象状況など、そのほかのさまざまな条件によって、すべて指導の内容が変わってしまいます。

 つまり、本やマニュアルで、全てを網羅しきれるものではありません。

 会員は、マニュアルを読んで実践しながら、電話による個別指導を岩澤先生から受けています。

 紹介されている資材の使い方や使用量がよくわかりません。

 資材の使い方、使用量は、どの様な環境でイネつくりをしているかで、答えが異なります。

 また、これらの資材の使用法を理解するには、イネの生理生態が理解できてないと難しいと考えます。

 普及会で推奨している特殊な資材は、自然耕塾でも有る程度説明をしていますが、会員には、個別の電話指導も含めて、資材の使い方や使用量の指導をしています。